ケンブリッジ大学ペンブルック・プレイヤーズ
http://cuppjt.jugem.jp/
- 演出:James Lewis, Lauren Cooney
- 音楽:Fin Beames
- 振付:Sinead Boughey
- 照明:Elliott Ward
- 美術・衣装:Lucy Minyo
- 出演:Tom Cane, Megan Prosser, Kamal Hussain, Adam Hollingworth
- 会場:東武練馬 大東文化会館ホール
- 上演時間:1時間半
- 評価:☆☆☆☆
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ケンブリッジ大学の学生劇団による『夏の夜の夢』の無料公演。この学生劇団の日本公演ツアーは昨年に次いで、今年が二回目だとのこと。大学施設を主な会場にして無料公演を行っている。
字幕無しの英語劇で台詞はほとんど聞き取れなかったのだけど、これが思いのほかいい公演だった。
会場はもともと舞台芸術用の施設ではないので、横幅は広いけれども奥行きは狭い。ダンボールをひだ状に折りたたんで作った台を数個使うぐらいで、舞台は素のまま、照明設備もごく貧弱なものに過ぎない。張り出し舞台で上演していたシェイクスピア時代の舞台も簡素さはこんな感じだっただろう。
上演時間は1時間半強だったので、テクストはかなり刈り込まれていることになる。展開はとてもスピード感あり、心地よく進む。11人の役者が早替りで貴族の世界、妖精の世界、町人の世界の三つの世界の登場人物を演じる。この一人複数役が、それぞれ映し鏡のようになっている三つの世界を明瞭に対比させる効果を生み出していた。三つの世界がとてもうまくかみ合っていて、その連鎖にぎくしゃくしたところがなかった。町人たちの劇中劇の場面はともすれば蛇足みたいな感じになってしまうこともあるのだが、実に見事に作品構造のなかに取り込まれていた。
音楽はオリジナルの曲でごく控えめに使用されていたが、ウクレレで伴奏される曲の曲調は古風でとても趣味がいい。
またアマチュアの学生劇団にも関わらず役者の演技のレベルがとても高いのにも驚いた。なかでもパックを演じた役者の身体能力の高さやボトム役の役者の喜劇的演技は印象的だった。
イギリス人がやってるからそれだけでそれっぽく見える、というのもあるけれど、シェイクスピア劇をこういう雰囲気で仕上げることができるのはやっぱり向こうの劇団ならではだなぁと思った。