Romeo Castellucci (Societas Raffaello Sanzio)
http://festival-tokyo.jp/program/heygirl/
- 演出:ロメオ・カステルッチ Romeo Castellucci
- 音楽:スコット・ギボンズ Scott Gibbons
- 映像:ステファン・デゥーヴェ Stephan Duve
- 舞台監督:セルジオ・スカルラテラ Sergio Scarlatella
- 照明技術:ジアコモ・ゴリーニ Giacomo Gorini
- 舞台技術:フェデリコ・レプリー Federico Lepri
- 美術:プラスティックアート、イストヴァン・ジッメルマン Plastikart, Istvan Zimmermann
- 製作:オデオン座 Odeon Théâtre de l'Europe
- 出演:シルヴィア・コスタ、マリアナ・クララ・ペレス Silvia Costa, Mariana Clara Perez
- 上演時間:1時間45分
- 劇場:にしすがも創造舎
- 評価:☆☆☆☆
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照明と音楽も含めた音響は洗練の極みにあるといった感じでものすごくかっこいい。象徴性の高い場面の数々は、それが発するメッセージは不明なのだけれど、とにかく強烈なイメージ喚起力、高い求心力を有する。いかにもヨーロッパの最先端、前衛だなぁと感心させられてしまう鮮烈な表現だった。
しかし思わせぶりに行なわれていることの意味、場面をつながりを示す論理は本当によくわからない。適当にこちらで意味を組み立てていけばいいということかもしれないけれど、いちいち各場面や場面に導入されたアイテムの数々が意図するところについて問い合わせてみたい欲求に駈られる。もっと若ければ無条件で魅了されていた舞台だと思うけれど、今の僕にはこけおどしっぽく感じられるところもあって、好悪の判断は保留。面白いのは面白いのだけれど。
客席開場は開演十五分前。開場されて中に入ると、もうもうとスモークがたかれていた。妖怪人間ベムの誕生シーンを連想させる、テーブル上のドロドロとした濃厚な液体のなかから、全裸の女性が現われ出る場面からはじまる。女は泣いたり、わめいたり、笑ったり、情緒不安定なことこの上ない。途中でエキストラがどどどっと舞台上に入ってきて、もっていた枕状のものでその女をめった打ちすると、実物よりかなり大きな頭部のかぶり物をかぶって女が登場。後側にはそれまで出てこなかった、大柄の黒人女が現われ出る。最初から舞台上にいた白人女のかぶり物頭部よりも一回りも大きいかぶり物をかぶっている。なぜかこの黒人女は身に付けていた服を脱がされ、鎖で繋がれ、といった感じに象徴性の極めてたかい美しい場面が連想ゲームのようにつらなってくる。
ところで最後に出てくる逆さまの肖像画の人物はだれ?と思っていたら、十五世紀のフランドルの画家、ファン・アイクの肖像だとのこと。ふーん。でも何で?