閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

パンドラの匣

http://www.pandoranohako.com/index2.html
パンドラの匣(2009)

やわらかい光で照らされたサナトリウムの映像が美しい。淡々と流れる時間も心地よい。過剰に意味を詰め込まない、さらりとしてて抑制された表現が洒落ている。
原作の小説を読んだときは頭に情景が思い浮かばなかったのだけれど、サナトリウムという隔絶された空間の非現実感、幻想味が巧みに表現されているように思った。キャストがいい。出てくる役者も語り口や情景にしっかりはまっていた。川上未映子もよかったけれど、陽性で天真爛漫な女性を演じた仲里依紗ちゃんの愛らしさは驚異的だ。和風体型も可愛らしいし、レトロなくるくるパーマの髪型がよく似合っていた。彼女が主演の『時をかける少女』も観に行きたくなった。