文学座
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- 作:ソーントン・ワイルダー
- 演出:坂口芳貞
- 美術:乘峯雅寛
- 照明:金 英秀
- 音響効果:栗原亜衣
- 振付:白神ももこ(モモンガ・コンプレクス)
- 舞台監督:加瀬幸恵
- 出演:菅生隆之、外山誠二、石川 武、高瀬哲朗、今村俊一、木津誠之、植田真介、松角洋平、高塚慎太郎、小野洋子、塩田朋子、栗田桃子、太刀川亞希、山谷典子、佐藤麻衣子、頼経明子、吉野実紗、戌井市郎
- 上演時間:1時間55分
- 劇場:全労済ホール/スペースゼロ
- 評価:☆☆☆☆
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ファミリー・シアターとなっていたので、小4の娘と観に行った。若干冗長に感じられる部分はあったけれどいい芝居だった。
白木の椅子とテーブルを自在に組み合わせたシンプルな舞台美術が美しい。舞台背面は紗幕で覆われ、その向こう側には星が輝いている。
20世紀初頭のアメリカの田舎町が舞台。エミリーとジョージは隣同士の幼なじみで、ごく平凡ではあるが愛情に満ちた家庭のなかで素直に成長していく。思春期になると幼なじみの二人のあいだに恋心が芽生え、そして彼らは結婚する。彼らの結婚は町全体から暖かい祝福を受ける。しかし永遠に続くかのように思えた幸せな生活は、突然終焉を迎える。あらゆる人間に訪れる死という不条理に彼らは深く傷つく。人生と幸福のあまりの儚さはわれわれを時に意気消沈せせる。しかしその儚さゆえに日常の生活はいとおしい美しさに満ちていることをしんみりと伝える作品だった。
こういう芝居を娘と一緒に見られるのは幸福だ。九才の娘には少々難しくて退屈なところがあったかもしれないけれど。自分の分身であるかのような娘もいつか、そう遠くない将来に、確実に自分から離れ、決別するときがやって来るのだな、などということが芝居を見ながら頭に浮かび、悲しくなってぽろぽろ泣いてしまった。