閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

アデュー・フィリピーヌ

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アデュー・フィリピーヌ(1962) ADIEU PHILIPPINE

  • 上映時間:110分
  • 製作国:フランス/イタリア
  • 初公開年月:2010/01/23
  • 監督:ジャック・ロジエ
  • 脚本:ジャック・ロジエ、ミシェル・オグロール
  • 撮影:ルネ・マテラン
  • 出演:ジャン=クロード・エミニ、ステファニア・サバティーニ、イヴェリーヌ・セリー、ヴィットリオ・カプリオーリ
  • 映画館:渋谷 ユーロスペース
  • 評価:☆☆☆☆
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Adieu Philippineというタイトルからフィリッピン娘との恋物語かと思えばそうではなかった。フランス映画なのにフィリピンというのも変だなと思っていたのだけれど。
この映画タイトルは、映画のなかで二人のヒロインがやる遊び「Bonjour Philippine」のもじりである。このphilippineという遊び自体、私は知らなかったのだけれど。「アーモンドを割って二人で分け合い、次に出会ったとき« Bonjour Philippine »と言った方がプレゼントがもらえる遊び」と『小学館仏和大辞典』にはある。映画では朝起きたときに先に「おはよう、フィリピーヌ」と言ったほうが、ミシェルとの恋を成就できるというルールになっていたように思う。
テレビ局で下働きをし、三ヶ月後に徴兵されることが決まっている若い男性と二人の女の子の間の三角関係の恋の物語。アルジェリア戦争の時代である。その戦争の重苦しさ、うっとうしさを暗示しながら、若い三人の男女の恋のやりとりをコルシカ島のヴァカンスの風俗とともに描く。見ていて身もだえしてしまうような「若さ」が眩しい。行き当たりばったりのだらだらとした緩さ、ヴァカンスの享楽、愚かさ、不安と苛立ち。 vousvoyerしていたり、すぐにセックスしたりしないところに好感を持つ。