台湾・日本国際共同企画
「水晶幻想」
- 演出・振付:山縣美礼
- 出演:卓庭竹(Claoud Gate Dance Theater出身)
- 音楽:Blaire Ko, thomas Bloch
「片腕」
- 演出・脚色:ノゾエ征爾
- 出演:菊沢将憲、陳元元、中川晴樹
「少年」
- 演出・脚色:劉亮延
- 出演:川口隆夫
照明:森規幸(balance, inc)
音響:井上直裕
衣装:摩耶
美術:羅智信
音楽:Blaire Ko
劇場:こまばアゴラ劇場
価:☆☆★
川端康成の短編小説、「片腕」「少年」「水晶幻想」を題材とした作品の上演。 原作を読んでからみれば楽しんで見られたかもしれない。この三作、いずれも読んでいない。
モリエール/シャルパンティエの『病は気から』を、見事な翻案で現代日本の音楽劇としたノゾエ征爾が「片腕」の演出をしているので見に行ったのだが、ノゾエの演出作品を含め、私には退屈な舞台だった。
最初に上演されたのは「水晶幻想」。女性ダンサーによる無言劇。表現主義的な舞踊だった。卵の殻を細かく砕いたらしい粒子がざらざらと天井から大量に落ちてくる。その白くて粗い粒子を浴びながら黒い空間で踊る。ありがちな表現だ。まったく性質の異なる舞踊だが、この前、浅草で見た一見劇団座長、一見好太郎の艶やかで濃厚な舞踊表現に比べると、何て薄くて独りよがりで貧しい表現なのだろうと思った。
二作目はノゾエ征爾演出の「片腕」。男二人(うち一人はテキストを読む男)と女の三人の出演者。作品の朗読を男女二人によって肉付けしていく感じか。シニカルでユーモラスな演出であったけれど、退屈。眠い。そして寝た。いかにも小劇場っぽい内輪の分かる人だけに向けられた表現に辟易する。
三作目は男の一人芝居で「少年」。これは少しは私にも楽しめるところがあった。原稿の紙片の扱い方が面白い。照明もいい。でもものすごく面白いと思ったわけではない。
疲労のため観劇コンディションも悪かった。しかし疲れているのにわざわざ見に行ったら、自分の好みとは合わないもので疲れが倍増。