- 作:山崎 哲 (新転位・21)
- 演出:関美能留 (三条会)
- 照明:杉本公亮
- 音響:島猛
- 美術:石原敬
- 出演:谷川昭一朗 (劇団東京乾電池)、占部房子、ノゾエ征爾 (はえぎわ)、榊原毅 (三条会)、渡部友一郎 (三条会)、森下真樹、中島愛子
- 劇場:下北沢 ザ・スズナリ
- 上演時間:2時間40分(休憩10分含む)
- 評価:☆☆☆★
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転位21の伝説的な舞台を三条会の関美能留が演出となれば、期待せずにはおられない。1973年に実際に起こった事件をもとにした作品。Wikipediaにその概要が記されている。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%A0%B4%E5%95%93%E4%BB%81
期待を裏切らず面白い舞台であった。しかし冗長さも感じた。前半を端折って、後半だけでも、私にはよかった。前半はいくつかの場面がばらばらと散漫に並置されるが、後半、それらが収束される感じは乏しかった。。後半は密度が高く、見応えがあった。とりわけ夫の浮気の判明した後の夫婦の殺伐としたやりとりはスリリングかつユーモラスだった。この部分は島尾敏雄『死の棘』から引用したものらしい。夫婦を演じた占部房子と谷川昭一朗は素晴らしかったが、その芝居は小栗康平監督の映画の松阪恵子、岸部一徳の芝居をトレースしているかのようにも感じられた。
今回のキャストでも充分に面白い芝居であはあったが、オール三条会キャストでやったらもっと異形で滑稽な芝居になっていたように思う。大川潤子が妻の役を演じるのを想像した。もっと奇怪でおどろおどろしい人物像になっていたに違いない。