- t.p.t.
- 作:三島由紀夫,『近代能楽集』より
- 演出:トーマス・オリヴァー・ニーハウス
- 美術:松岡泉
- 照明:笠原俊幸
- 衣裳:原まさみ
- 出演:中嶋朋子,塩野谷正幸,千葉哲也,大浦みずき,池下重大,植野葉子,廣畑達也
- 劇場:森下 ベニサン・ピット
- 評価:☆☆
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一幕もの,一時間強の舞台で,料金は6300円.うーん,ちょっと高い.百席ほどしかない劇場スペースで,出演者の顔ぶれを思うと,このくらいの値段でも仕方ないのかもしれないが.
わずか一時間ほどの舞台にもかかわらず,空回りする台詞のやりとりのせいか,十五分ほど意識を失っていた.もともとのテクストの表現やつながり自体が分かりやすいものではないが,演出家も役者もそうした難解さの解釈が未消化のまま,舞台で言葉を投げ合っている感じ.
既に『北の国から』の蛍役のオーラは消えうせ,年齢とともに十人並みのルックスとなってしまった中嶋朋子がヒロインを演じているのもきつい.あの「歯茎」の露出は誰も気にならないのか? 台詞の表現もちぐはぐで言葉がうまく乗っていない感じ.台詞とはいえ、「綺麗な私」なんてフレーズを喋っていると、「うーん、微妙だなぁ」と思わずつぶやきが出そうになる。
スター性ということでいえば,今日の出演者の中では大浦みずきが突出しているように思うのだが,今日の演出・役柄では大浦の個性はほとんど生かされていないように思った.
最初の登場シーンといい,ラストの全出演者が口紅をつけて退場するやり方といい,解釈不能の雰囲気だけのあまり効果的とはいえない仕掛けがうっとうしい.中途半端な焦点の定まらない演出に役者が振り回されているような感じがした.
植野葉子の豊かなバストとたくましい二の腕はすばらしい.