- une comedia dell'Arte de Jean Herve Appere
- 上演時間:70分
- 原作:Moliere
- 劇場:Besancon Petit-Kursaal
- 評価:☆☆☆☆
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ブザンソン大学文学部のそばにある収容人数400名ほどの劇場での公演.夏期研修参加者向けの無料公演だけに観客マナーは最低.
撥弦楽器奏者(リュート,テオルボ,ギター)とリコーダー奏者が舞台右手で音楽を生演奏する.役者は男優3名と女優1名が,うち男優1名は打楽器奏者も兼ねる.モリエールの原作は未読,未見.もともとコメディア・デラルテの役者で演じることを想定した芝居だったのだろうか,[帰国後調べてみると,もともとはコメディ・バレの形で上演され,幕間にはバレが配されていたとのこと.初演は1664年,ルーブル宮.1668年にバレ部分をのぞいた一幕ものとして出版される.]
「強制結婚」の部分はコメディア・デラルテの仮面を使って,劇中劇のかたちで上演される.旅回りの小さな一座がブザンソンで「強制結婚」を演じるという枠組みがその外側に設定されているのだが,「強制結婚」の部分がしっかりと演じられていて,二重構造にうるささを感じない.導入,結末,そして「幕間」風に,外側のメタ演劇的演出を効果的に使い,舞台に変化を与えていた.
演出のテンポのよさも心地よい.ムヌシュキンの映画「モリエール」での旅回り一座の上演を連想させる,小規模で素朴ながら,演出は洗練されこなれている.役者の様式的演技も安定していて技術も確か.伴奏音楽もルネサンス,バロックの舞曲を使用し趣味がよい.演奏技術も確か.小芝居の喜びを満喫できるレベルの高い舞台だった.