- 作者: 笙野頼子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1999/05
- メディア: 文庫
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評価:☆☆☆☆★
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マイミクが絶賛していたのに好奇心を刺激されて読んでみた。笙野頼子の小説を読んだのはこれが初めてである。長さがかなり異なる三編の小説からなるが、いずれも作者の分身である三重県人(温厚で八方美人だと言う)のヤツノが、「縮小する母」、「一旦死につつも再生し独自の発達を続ける母」「家出したあと戻ってきて音頭にあわせて回転する母」を描き出す。
母という存在についてのシュールでグロテスクのイメージの膨大な量、驚異的な饒舌が紡ぎ出すそのイメージの破格の奇想天外さに圧倒されてしまう。読みやすくはないが、関西弁(三重弁?)の口語の調子は柔らかく、文体、内容とともに過激にユーモラスである。現代に日本におけるビュルレスク文学の金字塔か。そのことばの過剰さはラブレーをも連想させる。凄い。