劇団桟敷童子
http://www8.plala.or.jp/s-douji/01wangan_osirase.html
- 作:サジキドウジ
- 演出:東憲司
- 美術:塵芥
- 照明:Jimmy
- 音楽:川崎貴人
- 舞台監督:松下清永+鴉屋
- 出演:池下重大、外山博美、鈴木めぐみ、板垣桃子、川田涼一
- 上演時間:2時間
- 劇場:吉祥寺 吉祥寺シアター
- 評価:☆☆☆☆★
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劇団初見。強烈に芝居臭さを放つ、作り込まれた濃密な世界を堪能する。
日本がまだ貧しかった時代、博多の外れにある貧民集落が舞台。劇の世界を象徴する曼珠沙華の花が美術と照明によって強調されている。この貧乏長屋に住む、川のゴミ広いと船底洗いで細々と生計をたてる貧民たちとその集落に隣接するマッチ工場から脱走した女工たちが、資本家であるマッチ工場主を相手に貧しさから抜け出すための絶望的な闘争を中心に、濃厚なな叙情性に富んだドラマが緊張感がとぎれることなく展開する。アナクロすぎるアナクロな設定であるが、暑苦しいほど激しい役者たちの熱演ぶりは、定型的ながら計算された音楽の使用と密度の高い美術の醸し出す雰囲気とあいまって、観客を劇の世界へとぐいぐいと引きずり込んでいく。
アングラ演劇風のテイストを持ちながらも、極めて緻密に構築された完成度の高い芝居は、充実した観劇体験を満喫させてくれた。