庭劇団ペニノ 第15回公演
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- 作・演出・美術・照明・音響:タニノクロウ
- 舞台製作:海老原聡、玉置潤一郎
- 出演:山田伊久磨、島田桃依、瀬口タエコ
- 会場:青山 はこぶね
- 上演時間:1時間
- 評価:☆☆☆☆☆
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青山劇場裏手の古いマンションの一室で、一回20名限定で行われるアトリエ公演。
二匹の動物と人間の男の三人が登場人物の童話風のファンタジーだった。しかしペニノの舞台である以上、ありきたりのファンタジーではありえない。じめじめと湿った感じのある気味の悪さの漂う、極めて独創的な雰囲気を持つナンセンスでグロテスクな詩劇だった。ざわざわと不気味だけれどもかすかに可愛らしいところもある。黒いけれども穏やかなユーモアが漂う作品だった。その狂気じみた荒唐無稽のセンスが壮絶にかっこいいと僕は思う。
物語の設定は以下のとおり。
雌豚(ペテュ)と雌羊(モルチ)は森の中の住居で同居生活を送っている。シェード付の裸電球がぶらさがるみすぼらしく古ぼけた部屋である。
二匹が食事を取るダイニング・キッチン(?)には十年前に突然天井からと床から、かなり大きな木が生えている。最初はこの木を邪魔に思っていた二人だが、この木から取れる少量の白い樹液が思いのほか美味であることがわかり、以来部屋に生えた二本の木は2匹の生活になくてはならないものになった。
怪しく隠微な喜びに満ちた満足度のたかい演劇公演だった。