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閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~(2016) FUOCOAMMARE

映画 ドキュメンタリー

www.bitters.co.jp

  • 上映時間:114分
  • 製作国:イタリア/フランス
  • 初公開年月:2017/02/11
  • 監督: ジャンフランコ・ロージ 
  • 撮影: ジャンフランコ・ロージ 
  • 編集: ヤーコポ・クアドリ
  • 映画館:Bunkamuraル・シネマ
  • 評価:☆☆☆☆

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シチリアの南、アフリカの沖合にある地中海の島を撮影したドキュメンタリー映画だが、澄んだ青色の海と空の映像はほとんど出てこない。薄曇りの灰色の空とその色を映し出す海、そして夜の風景。
この島にはこの20年間に40万人の難民が上陸したという。

この島に住む10歳ぐらいの少年の生活とこの島に漂着する難民たちの様子が並列的に映し出される。この二つの島の日常には直接的な接点はない。この二つの日常を繫ぐのは、島にただ一人の医師と島のローカルラジオ局で流れるニュースだ。

難民船は島のそばにあるリビアもしくはチュニジアから出航しているのだと思う。しかしその船に乗っている難民たちの出身国は、私が思っていた以上に多様だった。コートジボワール、ナイジェリア、スーダンソマリアエリトリアなどサハラ砂漠の向こう側の地域の人たちが多いのだ。中東のシリアからの難民もいた。彼らは何千キロもの陸路を経て、地中海沿岸の港町に到達し、そこで難民船に乗って地中海を横断しようとする。しかし映画で映し出されたその難民船の環境のひどさは、私の想像を超えるものだった。まさに命を賭けた脱出であり、それほどのリスクを冒してでも逃げ出したいようなひどい現実がアフリカ、中近東の彼らにはあったということだ。

最初のうちは少年の日常風景のスケッチが延々続くことの意味が分からなかったし、ナレーションもBGMとしての音楽もないので退屈し、眠くなってしまった。しかしこの対比の意味が見えてきて、少年の存在が何を象徴するのかがわかってくると、はっと目が覚め、引き込まれていく。