篠田節子(角川ホラー文庫,1995年)
ISBN:4041959012
評価:☆☆
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屈折した思いをかかえつつ,整形して精巧な容姿を手に入れた女性と人形愛のデザイナーのいびつで偏執的な愛情とその破綻を描く.人物造形の異常さゆえに,リアリティが乏しくなってしまった感じ.篠田節子の小説の人物はどこか平板な印象があるが,この小説の二人の主人公はその容姿そのままに薄っぺらの作りごとの人物という感じがしてしまう.デザイナーの愛情表現のおぞましさ,醜悪さも,表現の露悪趣味的側面だけが強調されているかんじで,類型的に感じる.