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読書好きの清楚でりんとした理想の女子大生を語り手とするシリーズ。円紫師匠という落語家が謎ときやく。三本の中篇と短編の間ぐらいの長さの作品を含む。姉の恋愛体験を通して姉妹間の葛藤をリアルに描いた三本目の表題作「夜の蝉」が圧倒的にいいと思った。
語り手の主人公の性格造詣は魅力的ではあるものの、男性としての北村薫の願望や欲望が露骨に投影されているのが透けてみえてしまい、その点に小さな拒否感を感じる。わかるけれどいやな感じというか。