閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

中世キリスト教の典礼と音楽

J.ハーパー著/佐々木勉・那須輝彦訳(教文館,2000年)
中世キリスト教の典礼と音楽
評価:☆☆☆☆

                                                  • -

教会音楽史の学習者のためのマニュアルとしてかかれた中世・近世の教会典礼の解説書.教会音楽の研究の上で必須の典礼の詳細について具体的に教えてくれる良書.付録,索引,用語集,書誌もしっかり整備されている.
中世の典礼がいかに複雑なやりかたで高度に構成されているかをこの本ではじめてイメージできるようになった.このような込み入った記述を日本語訳で読めるのはありがたい.典礼劇でディダスカリが発達しているのは,もとよりきわめて複雑な手順で執り行われていて,細かい指示が必要だった典礼書の記述をふまえているからであることがわかった.