閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

バッカスの巫女たち

Les Bacchantes d'Euripide

  • 訳:Mayotte Bollack
  • 演出:Andre Wilms
  • 美術:Nicky Rieti
  • 衣装:Cissou Wiesner
  • 照明:Herve Audibert
  • 出演:Guillaume Gallienne, Daniel Znyk, Madeleine Marion, Eric Ruf
  • 劇場:コメディ・フランセーズ
  • 評価:☆☆☆
                                                    • -

昨年上演された舞台の再演.『ジュルバン』誌や『フィガロ・スコープ』の評価も悪くない.
言葉がよくわからない(といってもコルネイユのテクストよりははるかに聞きやすいのだが)はともかく,はっとするようなスペクタクルに乏しい平板な舞台であるように僕は思った.それでも終演後の観客の反応はよい.結局パリの観客は何でもとりあえず熱狂的に喜んでしまうのであろうか.幕が下りた後は舞台上でも大騒ぎしている様子が聞こえてきた.今日が「千秋楽」公演だったのか.
古代ギリシャ劇のような「普遍的」な芝居は,ク・ナウカのような徹底した様式美で見せるほうが効果的であるように思える.あるいは逆に徹底した写実での再現を無理矢理目指してみるとか.コーラスの使い方など中途半端な感じがした.主演のデュオニソスの役者の吸引力も弱い.期待はずれの舞台.