閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

レント RENT

http://www.movies.co.jp/rent/

RENT/レント (2005)
上映時間 135 分
製作国 アメリカ
公開情報 ブエナビスタ
初公開年月 2006/04/29
監督: クリス・コロンバス Chris Columbus
原作: ジョナサン・ラーソン Jonathan Larson  (ミュージカル版)
脚本: スティーヴン・チョボスキー Stephen Chbosky
作詞作曲: ジョナサン・ラーソン Jonathan Larson
衣裳デザイン: アジー・ゲラード・ロジャース Aggie Guerard Rodgers
 
出演: ロザリオ・ドーソン Rosario Dawson ミミ
テイ・ディグス Taye Diggs ベニー
ジェシー・L・マーティン Jesse L. Martin コリンズ
イディナ・メンゼル Idina Menzel モーリーン
アダム・パスカル Adam Pascal ロジャー
アンソニー・ラップ Anthony Rapp マーク
ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア Wilson Jermaine Heredia エンジェル
トレイシー・トムズ Tracie Thoms ジョアンヌ
サラ・シルヴァーマン Sarah Silverman アレクシ

  • 劇場:東銀座 東劇
  • 評価:☆☆☆★

「525600分をどうやって数えるか」というリフレインが印象的な主題歌《シーズンズ・オブ・ラブ》をフィーチャアした予告編は,詩的喚起力に富んだ美しいクリップだったが,本編の出来は予告編で期待したほどよくなかった.
プッチーニのオペラ,《ラ・ボエーム》を下敷きにし,ニューヨークのスラムに暮らす若者の一年間を描く.ドラッグ,同性愛,エイズなどの定番的なアイテムの導入は今となっては若干陳腐な感じもする.青春群像的の定型的なつくりに沿った作品である.
使われる曲は主題曲の《シーズンズ・オブ・ラブ》をはじめ,印象に残る力強い佳曲がそろっているし,舞台版のオリジナル・キャストをそろえた出演陣の演技・歌唱は達者でそれぞれ個性的な魅力を持っている.しかし脚本がこの二種類の好素材をうまく生かし切れていないように僕は思った.テンポがとにかくたらたらとして,物語展開にめりはりがなく,リズム感が乏しい.主題歌の歌詞を生かして,一年間の時の刻みのせつなさを意識させるような,進行につれてどんどん密度と速度が増していくような展開を期待していたのだが.結局予告編をなぞったかのような,登場人物が舞台に横一列になって《シーズンズ・オブ・ラブ》を歌う冒頭部が圧倒的に感動的で,その後は焦点のぼやけた散漫な物語となってしまった.
役者の中ではゲイのダンサー,エンジェル役の ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディアが僕には一番印象的だった.僕にははゲイ・キャラクター嗜好が若干あるようだ.とてもしぐさが可愛らしい.ドラムスティックを使ったダンス・パフォーマンスはもっと長く映画の中でみせて欲しかった.