閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

葦ノ籠

黒色綺譚カナリア派 第八回公演
http://www.kokusyoku.com/

  • 作・演出:赤澤ムック
  • 美術:吉野章弘
  • 照明:奥田賢太
  • 音響:中村嘉宏
  • 衣裳:西荻カナリア工房,中西瑞美,吉田正宗
  • 出演:大沢健,下総源太郎,升ノゾミ,牛水里美,斎藤けあき,山下恵,吉川博史,芝原弘,中里順子,赤澤ムック
  • 上演時間:約二時間
  • 劇場:表参道 青山円形劇場
  • 満足度:☆☆☆
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美術や照明によるビジュアル面でのアングラ様式美へのこだわりは完成度が高く,円形の舞台をきっちりと使い切った舞台美術に開演前には期待が高まる.
ストーリーも定型をきっちりと踏まえた上で作られているのだけど,今一つえぐさというか,粘着するようなおどろおどろしさに乏しく,さらっと流れ平板な感じがしてかなり物足りない.前半は特に単調に感じられ,何回か意識を失いそうになる.
丸尾末広のマンガから飛び出してきたかのような牛水里美のコケットリーがとても印象的だった.
舞台上ですき焼きを実際に調理する場面があるのだが,カセットコンロの不調でなかなか火がつかないというトラブルがあった.あわや生肉を食べさせられそうになった下総源太郎が必死でカセットコンロに火をつけようとしていたのに爆笑する(悪戦苦闘のすえ,火はついた).