多田淳之介中野茂樹+フランケンズ
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曲のつくりや数々の演出の仕掛けには感心、感嘆するところはあったけれども、芝居そのものには心動かされることはなかった。部分部分ではかっこいいなと思うところはあったのだけれど。
『トランス』の初演は1993年だという。その台詞にはすでに今のことばではない古めかしさ、アナクロニズムがところどころ漂っている。あと10年ぐらいたてば、この古臭い感じも熟成され、ある種の過去のことばとして熟成し、自然に受け入れられるようになるのだろうか。
演出はギミック過剰気味で、そのために作品の印象が散漫になっているように僕には思えた。ただしいくつかのシーンはとても力強い美しさがあり、心に残る。