閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

オアシス

OASIS

世評高い作品だが未見だった。先月見た、同監督の『シークレット・サンシャイン』がとても気に入ったので、前作のこの作品も猛烈に見てみたくなったのだ。
犯罪を重ね、何度か服役したことのある男と重度脳性麻痺の女性との恋愛譚。いわゆる「障害者もの」の泣かせの定型映画だったらいやだなぁと思い、評判のよさにもかかわらずこれまで見る気がしなかったのだ。公開時のコピーが「社会から疎外された2人が辿る、ある“愛のかたち”。世界に衝撃を与えた究極の純愛物語」である。これでは見る気がしない。

作品の内容を要約してコピーにすると確かに上記のようになるだろう。感動的な愛の物語であった。しかし映画の内容はこのコピーの文字列から受ける印象とはまったく異なる激しいものだった。この作品で描き出される壮絶でグロテスクな愛は、心の疼きを感じずにはいられないような痛切な願いと孤独の表現でもある。