- プロデュース:深井順子
- 作・演出・音楽・美術:糸井幸之介
- 振付:木皮成
- 舞台監督:谷澤拓巳、上嶋倫子
- 照明:松本永
- 音響・編曲:佐藤こうじ(Sugar Sound)
- 衣装:吉田健太郎
- 装置:西廣奏
- 出演:日高啓介、深井順子、Sun!!、内田慈、伊藤昌子、金子岳憲、並木修介、澤田慎司、高橋義和、枡野浩一、鯉和鮎美、加藤律、幸田尚子、西田夏奈子
- 劇場:吉祥寺シアター
- 評価:☆☆☆☆★
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6/22の楽日の公演も見に行った。
代表作の再演。官能的な恋愛幻想の余韻の中で寂しさが広がっていく。とあるさえない男の生まれてから死ぬまでの恋愛遍歴。ダメ男なのだけれど、この男はよく女にもてる。
どのエピソードも濃厚だったが、休憩後に上演された「観光裸」が中でも一番印象深い。不倫の関係にある男女が、京都に旅行中、夜の学校の音楽室に入り込む。切なくて甘美ではかない恋が謳われる。内田慈の歌が素晴らしい。動きと表情の変化も素晴らしかった。
夜一人でいる時、突然、孤独と不安に襲われる時がある。己の寄る辺なさに気付いた時、「一人ぼっちよりもましだから」愛にすがってしまう。孤独の甘美と愛の切なさを歌う抒情の濃厚さに浸る。中年オヤジの夢と願望が演劇として見事に具現化されている。