- 監督・撮影:マノエル・ド・オリヴェイラ
- 出演:ニコラウ・ヌネス・ダ・シルヴァ、エルメリンダ・ピレシュ、マリア・マダレーナ
- 映画館:渋谷 ユーロスペース
- 評価:☆☆★
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「16世紀に書かれたテキストに基づいて山村クラリェで上演されるキリスト受難劇の記録」と紹介にあるが厳密な意味でのドキュメンタリーではないはずだ。演じている俳優はおそらく村の人々だと思われるし、上演台本もその村に伝わっているものではあるが、映画撮影用に再現された上映だと思われる。「春の劇」というタイトルからおそらくこの村では復活祭の時期にこのキリスト受難の劇を上演する習慣があったのだろう(今でも続いているかどうかは不明)。
上演場所は村内の数カ所で、夜と昼の両方をまたいでいる。台詞は、百人一首の読み上げを連想させるような独特の調子で読み上げられるが、その朗唱は単調きわまりなく、上映中は睡魔との戦いとなった。最後のイエス受難の場面に重なって、二十世紀の戦争の被害を映し出した実映像がいくつか映し出される。この重ね方は作為がみえすぎ、安易かつありきたりだ。
見始めてからこの作品をかつて見ていたことを思いだした。実に興味深い題材の作品であったが、退屈極まりない作品でもあった。