篠田節子(講談社文庫,1997年)
評価:☆☆☆
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読んだものの精神を破滅に導く未完の原稿「聖域」の作者の探索と邂逅を物語のベースにおき,土俗的かつ神秘的な死と生の交感のイメージを力強く描き出す.作中作である「聖域」の内容は,オカルト,社会推理,神秘,思想など豊かなメッセージを伝える作品の通奏低音となっている.
篠田節子らしい骨太でかつ奇想天外な設定.それを圧倒的な筆力で読ませる.
ただし主人公の女流作家の造形を物足りなく感じてしまう.