http://www.shiki.gr.jp/applause/rokumeikan/index.html
劇団四季公演
- 作:三島由紀夫
- 演出:浅利慶太
- 装置:土屋茂昭
- 照明:吉井澄雄
- 衣裳:森英恵
- 音楽:林光
- 出演:日下武史,野村玲子,末次美沙緒,岩瀬晃(劇団俳優座),田邊真也,広瀬明雄
- 劇場:浜松町 四季 自由劇場
- 評価:☆☆☆☆
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休憩20分を含み三時間の上演時間.客席は満員で当日売りはなし.『鹿鳴館』のような実の詰まった,必ずしも娯楽性が高いとは言えない芝居で,何ヶ月にもわたって公演を続けることができることに,劇団四季の動員力の底力を感じる.
戯曲の完成度の高さを十分に味わうことのできる公演だった.伯爵と伯爵夫人朝子をはじめとするきわめて個性的な人物造型の対比,演劇的葛藤を効果的に引き出す数々の伏線,クライマックスの舞踏会の場面の劇的緊張の設定,終幕近くに重ねられるどんでん返しによる驚きなど,計算しつくされた演劇的効果の数々が巧みに配置された脚本の美しさを味わい愉しむ.
日下武史の演技では気にならないのだが,他の俳優については,明瞭ではあるが不自然なアーティキュレーションの発声と記号的な身体表現には大きな違和感を感じる.慣れてくれば様式として受け入れることができるのかもしれないが,この作品を他の演出,劇団で,見てみたいと思った人も少なくなかったはずである.