- 製作年度 2005年
- 製作国・地域 アメリカ/カナダ
- 上映時間 96分
- 監督 デヴィッド・クローネンバーグ
- 原作 ジョン・ワグナー 、ヴィンス・ロック
- 脚本 ジョシュ・オルソン
- 音楽 ハワード・ショア
- 出演 ヴィゴ・モーテンセン 、マリア・ベロ 、エド・ハリス 、ウィリアム・ハート
- 劇場:東銀座 東劇
- 評価:☆☆☆☆
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小市民的生活を生きる平凡な男が実は…という「スーパーマン」的ドラマのバリエーション.隠されてきた実像が明らかになったとき,男とその家族の幸福な小市民的平穏に亀裂が入る.
地味で平凡な幸せな家族像の描写が卓越している.特に強い信頼関係と相互的愛情で結ばれた夫婦像の描き方がうまい.夫婦のセックスの場面が二回あるのだが,とても丁寧に撮られていて,リアリティある官能表現となっている.コスチュームをつけたロールプレイでのセックスで夫婦関係の良好さを示すアイディアが秀逸.確かに仲のよい夫婦ならばああいった「遊戯」的性行為をやってみたくなるだろう.妻役のマリア・ベロが美貌と演技が印象的.細やかな心遣いを魅せ,しかも年相応の「妻」としての官能的魅力を持つ,理想の妻像を
見事に具現している.
二回目のセックス・シーンの表現と使い方もうまい.関係の亀裂と不安感をはっきりと暗示する性交シーンだった.
日常的幸福と暴力と殺人の世界の両方が丁寧に表現されているだけに,そのコントラストが効果的に提示されている.展開のテンポもよく,サスペンス・ドラマの緊張感がとぎれない.