- 製作年度 2001年
- 製作国・地域 フランス/オーストリア
- 上映時間 132分
- 監督 ミヒャエル・ハネケ
- 製作総指揮 イヴォン・クレン 、クリスティーヌ・ゴズラン 、マイケル・カッツ
- 原作 エルフリーデ・イェリネク
- 脚本 ミヒャエル・ハネケ
- 出演 イザベル・ユペール 、ブノワ・マジメル 、アニー・ジラルド 、アンナ・シガレヴィッチ 、スザンヌ・ロタール
- 評価:☆☆☆☆★
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人間の深層に巣くう性への妄執のおぞましさの容赦ない描写に戦慄する.
音楽生活のプレッシャーと同居する母親との過剰な共依存関係の中で,主人公のピアニスト(イザベル・ユペール)の表情は仮面のように硬直している.その仮面の下で抑圧されつづけた性欲はグロテスクなかたちで増大していく.彼女の抑圧された性はある美青年との出会いをきっかけに制御できなくなっていく.
奇形的な母娘の閉鎖的連帯,ピアニストに無慈悲な冷淡さ,歪んだ性的願望のリアルな表現に圧倒される.後味のきわめて悪い傑作である.