http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1912.html
夏休み文楽特別公演
西遊記〜悟空の冒険〜
閻魔王宮の段
桃薗より釜煮の段
火焔山より芭蕉洞の段
祇園精舎の段
- 作:山田庄一
- 演出:持田宗周
- 作曲:竹澤団七
- 作調:望月太明藏
- 劇場:日本橋 国立文楽劇場
- 上演時間:2時間35分(休憩35分含む)
- 評価:☆☆☆☆
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
第一部「西遊記」の公演は、「夏休み親子劇場」と題されていて親子連れは多かったが、演目は必ずしも子供向きに翻案されたものではなかった。子供も楽しめるような演出は盛り込まれていたけれど、上演自体は三味線を伴奏に義太夫が語る、伝統的な文楽の様式を踏襲したものだった。レビューで紹介されていた楽しいけれんやチラシのかわいらしいイラストから、まったく子供向きの翻案を見る前は想像していたので、ちょっと意表をつかれたかんじだった。
文楽作品としての「西遊記」ものは江戸時代からあって、明治期にはかなり頻繁に上演されたそうだ。今回の上演は過去の西遊記ものを踏まえ、1980年代に新たに作られたものだという。今回の公演はその中から、孫悟空の破天荒なあばれぶりを楽しむことのできる四段が抜粋され、上演された。
派手な宙乗り(人形使いもいっしょに空を舞う)や早替りが繰り返される対決場面(なぜかくいだおれ人形も登場)、阪神タイガースのユニフォーム姿の孫悟空の登場といったばかばかしい観客サービスが盛り込まれた楽しい公演だった。
途中「文楽へのご案内」という文楽解説のコーナーがあって、3人のこどもが舞台上で人形を操作した。案内役の人形遣いの人の進行がとても軽妙で、こちらも楽しめる「文楽入門講座」になっていた。