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国立西洋美術館
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ハンマースホイは19世紀末から20世紀初頭のデンマーク人画家。日本ではこれまでほとんど知られていない画家だという。平凡社と小学館の大百科事典にもこの画家の項目はない。
ニュアンスに富んだ灰色の色調が印象的な象徴主義的な雰囲気の絵だった。人物画や建物などが描かれた風景画もあるが、がらんとした室内の風景を描く絵が何枚もあった。黒い服を着た後ろ向きの女性が室内に配置されていることもある。いずれも内省的な絵ばかりで、日常のなかで突然わきあがる得たいの知れない焦燥感や孤独感を表象しているように思える。画面の佇まいは静謐だが、絵には声にならない叫び声が充満しているように思える。深い心の闇がキャンバスの裂け目から広がっていくような、鑑賞者の心を不安定にさせる不気味さがある。先日読んだ、メーテルランクの一幕ものの芝居の世界を連想した。