閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団

http://www.koransha.com/music/armenian_phil2008/index.html

  • 指揮者:エドゥアルド・トプチャン
  • ヴァイオリン:カトリーヌ・マヌーキアン
  • 管弦楽:アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団
  • プログラム
  • 劇場:三鷹 武蔵野市民文化会館
  • 評価:☆☆☆★
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アルメニア・フィルは聴いたことがなかったが、面白そうなプログラムと、値段が安かった(武蔵野文化事業団扱いで3000円)なのでチケットを買った。アルメニア・フィルは初来日だという。全国各地をツアーしている。
プログラムはアルメニア出身の作曲家、ハチャトゥリアンのバレエ組曲《ガイーヌ》より6曲、それからチハチャトゥリアンの《ヴァイオリン協奏曲》が前半、後半はリムスキー=コルサコフの《シェヘラザード》。この《シェヘラザード》が僕は大好きで、生演奏で聴いてみたくなったのだ。
生で聴くのは数年前、パリにいたときにチョン・ミョンフン指揮、ラジオ・フランス・オケによる奇跡のようにすばらしい出来の演奏を聴いて以来である。このコンサートの感動はいまだ鮮明に覚えている。ハチャトゥリアンの音楽は《剣の舞》を学校の音楽の授業で聞いたことがあるくらい。

オケの十八番に違いない《ガイーヌ》組曲の演奏が圧倒的によかった。土俗的で荒々しいエネルギーにあふれた演奏だった。伊福部昭の傑作《ゴジラ》のテーマを、より激しく狂騒的にしたような感じの曲調の曲が多い。こういったご当地ものがあると、オケの特色が出しやすくていいなと思う。
しょっぱながものすごく面白かったので期待が膨らんだのだけれど、あとの曲目の魅力は《ガイーヌ》よりだいぶ落ちた。
《ヴァイオリン協奏曲》は三楽章だったが思ったより長い曲で寝てしまった。休憩後の《シェヘラザード》も悪くはなかったけれど、木管楽器がばらばらって感じで、テンポも不安定。弦の音色は美しかったけれど。記憶に残っているチョン=ラジオ・フランス・オケの全身の細胞まで染み入るような名演を思うと、相当物足りない。