シベリア少女鉄道スピリッツ
http://www.siberia.jp/nextstage.html
- 作・演出:土屋亮一
- 舞台監督:谷澤拓巳
- 音響:中村嘉宏
- 照明:伊藤孝
- 美術:泉真
- 出演:加藤雅人(ラブリーヨーヨー)、工藤史子、篠塚茜(シベリア少女鉄道)、高松泰治(ゴキブリコンビナート)、藤原幹雄(シベリア少女鉄道)、吉原朱美(本能中枢劇団)
- 劇場:新宿 タイニイアリス
- 上演時間:1時間
- 評価:☆☆☆☆
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シベリア少女鉄道を見るのは今回が初めてだった。一時間。タイニイアリスの地ベタ席。背もたれはあったけれど体調が悪かったのできつかった。しかし仕掛けの意外性、面白さに体調の悪さを忘れてしまう。
同じエピソード、場面が何回転(3回転?)かする。とある漫画家の仕事場が舞台。編集者、漫画家、アシスタントたちが登場人物。漫画家の原稿が進まず、だらだらとした時間が流れる。リアルな情景描写なのだけれど、展開のリズムが悪くてところどころ不自然にぎくしゃくしているように感じられる。これがこの後の展開の伏線になっているのだろうと思っていたのだけれど、伏線は伏線でもその使われ方は私のまったく想像外のやり方だった。
うーん、なんかとらえどころのあやふやな芝居だなあと思って見ていると、同じ場面が繰り返される。今度は登場人物のひとりの心の中の声が場面に重なる。うーん、なるほど。これでどうなるのかな、と思っていると、また同じ場面の反復。ここで仕掛けが明らかになり、その意外性に驚く。くだらなさに何回か爆笑する。これだけでもその発想のユニークさに十分感心してしまったのだけれど、さらにもう一段階、アクロバティックな仕掛けが施されたのに驚嘆する。いや、凄い発想だ。凄いけれど猛烈に馬鹿馬鹿しい。表現方法の斬新さと表現される内容のナンセンスぶりの落差にしびれる。こんな発想のパロディを体験するのは初めてだ。演劇的な枠組みの可能性を利用したパロディ。
後半は体調の悪さを忘れてしまっていた。うーん、毎回こんな仕掛けがあるんだったら確かにわくわくする。