柿喰う客 女体シェクスピア
柿喰う客 女体シェイクスピア001「悩殺ハムレット」
- 原作:ウィリアム・シェイクスピア
- 演出:中屋敷法仁
- 美術:原田愛
- 照明:富山貴之
- 音響:上野雅
- 音楽:佐藤こうじ(SugarSound)
- 衣裳:高木阿友子
- 出演:深谷由梨香、コロ、兵藤祐香、右手愛美、郄島玲、萩野有里、岡田あがさ、熊川ふみ、七味まゆ味、桂木英、新良エツ子、葛西幸菜、葉丸あすか、渡邊安理、大杉亜依里
- 劇場:シアタートラム
- 上演時間:90分
- 評価:☆☆☆☆
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
女優だけによる『ハムレット』。中屋敷法仁らしい独創的な趣向のスタイリッシュでかっこいいシェイクスピアになっていた。上演時間は九十分だったが、テクスト・レジもよくできていてかなり刈り込んでいるにも関わらず薄さを感じない。きっちり「ハムレット」を味わった感じがした。
台詞はギャル言葉にすべて変換されていたが、このギャル言葉を極めて音楽的に響かせていたことには驚いた。特に主演ハムレットを演じた深谷由梨香の声の響きがいい。途中単調に陥っていたところもないではなかったが。
舞台美術が中央に置かれたソファだけというシンプルさもいい。役者を巧みに動かして柿喰う客らしいスピード感ある展開を作り出していた。
群舞の場面もたくさん織り込まれていて、レビューショーのような趣の娯楽性の高い舞台になっていた。女優たちの男装も決まっていてとても似合っていたし。現代的な宝塚といった感じも。
七味まゆ味はフォーティンブラスの役で出番は少なかったのだけれど、事件の証言者として最後に重要な役割を演じる。この最後の場のインパクトの強さ、彼女は凄い女優だなあ。ああいう体の張り方には感動していまう。