閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

雑想

小倉博行さん追悼

25年ぐらい前の小倉さん。大学院の研究室で。 『ラテン語のしくみ』(白水社、2014年)、『ギリシア語とラテン語を同時に学ぶ』(白水社、2015年)などの著者で、早稲田大学、獨協大学などでラテン語やフランス語の教鞭を執っておられた小倉博行さんが2022年…

2013年の演劇生活

(カナダ、オンタリオ州オーウェン・サウンドの町の風景。記事本文とは関係ありません) 2013年はおよそ100公演に足を運んだ。一回の公演で複数の演目が上演されていたり、あるいは同じ公演を二度見ることも数回あったので、演目としてはのべで130作品くらい…

平原演劇祭2013第4部《ゲオルク・ビューヒナー生誕200年水没祭》 

平原演劇祭2013第4部《ゲオルク・ビューヒナー生誕200年水没祭》 みやしろ演劇パーティ『生きてゐるヴォイツェク』(出演者:生田粋(シンガーソングライター)。志賀未奈子(劇団12)。渋川智代(宗教劇団ピャー)) 短距離男道ミサイル(仙台)『野武士RE-…

青年団の演劇入門@池袋コミュニティ・カレッジ 第一回

池袋のカルチャー・センターの殿堂、西武百貨店の八階にある池袋コミュニティ・カレッジで四月から十一月にかけて隔週で開催される「青年団の演劇入門」に申し込んだ。一回三時間、全十五回で、最初の三回が平田オリザ、木崎友紀子、工藤千夏が担当し、残り…

砂漠の船

砂漠の船 (双葉文庫)作者: 篠田節子出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/01/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る 評価:☆☆☆☆★ - 何となく久しぶりに篠田節子の小説を読んだ。 『砂漠の船』は都内のすでにくたびれた雰囲気のニ…

2011年9月末以降、観に行く芝居、観たい芝居、気になる芝居

手持ちのチラシから。秋は面白そうな公演が多すぎる。△はおそらくほとんど見に行けないだろう。 また10月の週末は大道芸の季節でほぼ毎週どこかで大道芸の祭をやっている。第三週の三軒茶屋と第四週の上野は観に行く予定。◎:予約済。 ○:予約していない。で…

能楽師・山中迓晶(がしょう)「能のある空間」@池袋コミュニティカレッジ

池袋コミュニティカレッジに観世流能楽師、山中迓晶氏のレクチャー「能のある空間」に行った。まだ山中氏は四十一歳の若い能楽師である。「能のある空間」は氏が1999年以来継続的にいろいろな場所で行っている能の解説講座である。能楽師による解説だけに、…

演劇で食べていくこと

演劇は仕事になるのか?: 演劇の経済的側面とその未来作者: 米屋尚子出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2011/10/21メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 26回この商品を含むブログ (2件) を見る - 『演劇は仕事になるのか?』というタイトルの本がこの夏に出る…

ふじのくにせかい演劇祭と「タカセの夢」について

6/5にSPAC(静岡県舞台芸術センター)主催のふじのくにせかい演劇祭に行き、「野田版真夏の夜の夢」、「タカセの夢」、「エクスターズ」と三本の作品を一日で見た。いずれもとても面白い作品だった。特によい作品を見たときなど印象が混ざり合ってしまうのが…

2010年に見た舞台ベスト10

2010年は110本の舞台を見ていた。舞台鑑賞の数を減らすつもりだったのだけれど実際には減ってなかった。F/Tほかのフェスティバルで面白い作品が目白押しだったからこの数になるのも仕方ない。順位をつけるのは難しいのだけれど敢えて10本選ぶと以下の通りに…

あけましておめでとうございます

このブログには見た芝居と映画の感想しか書いていないけれど、一年の初めということで年始の挨拶をしておこう。 毎年毎年同じようなことを抱負として述べている気がする。ずっと停滞しているけれど今年こそは前に進もう、とかそんなこと。 でもずっと停滞し…

2010年に見た映画

2010年に映画館で見た映画は62本、ただしそのうち新作上映は33本で半数近くは旧作の再映だった。 DVDで見た映画は13本だった。 けっこうな数を見ているなと思いつつ、これぐらいの本数だと見たいなあと思いつつ見逃してしまったものもけっこうある。映画は2…

さいたまゴールド・シアター「聖地」に至る長い道

松井周作、蜷川幸雄演出のさいたまゴールド・シアター「聖地」の評判がtwitterなどでとてもいいので観に行くことにした。前売りは売り切れなので当日券狙い。劇場に問い合わせると20枚くらいは出るとのこと。わざわざさいたままで行って売り切れでは悲しいの…

パリの安ホテル

3/8から3/19までパリにいた。四年ぶりのパリだ。昨年度は研究費が運良く採択されて、フランス国立図書館での資料調査という名目でパリに行くことができた。そうでもなければ今の低収入の状況で海外に行くのは難しい。次はいつ行けるのだろうか。研究費が支給…

2010年 年明け

今年も昨年同様先行きにはあまり希望が持てそうにないのだけれど、周囲の状況に惑わされずとにかく自分のペースを守って少しずつでも前に進んでいきたい。毎年賀状用にイラストを一枚描く。賀状用といっても干支とはなんの関わりもない絵なのだけれど。自分…

2009年の映画生活

劇場で見た映画が40本だった。DVDでは7本だけど記録もれがあるような気がする。本数は例年並み。見たい映画で見逃した作品はかなりあった。 劇場で見た新作映画ベスト5を挙げると、1.美代子阿佐ヶ谷気分 2.グラン・トリノ 3.母なる証明 4.アンヴィ…

2009年の観劇生活

今年は歌舞伎、人形劇、パントマイム、オペラなども含め約100本の舞台に足を運んだ。各ジャンルごたまぜで特に印象に残っている舞台を挙げると以下のようになる。この18本は特に強い感銘を受けた舞台だ。これ以外にも面白い舞台はもちろんたくさんあった。大…

チャイム 〜マイム学園物語〜

http://hanmime.com/index_pac.html 劇団 汎マイム工房 2009トライアル公演 構成・演出:あらい汎 照明:アートブレインカンパニー 音響:小西洋輝 衣裳:長壁明美 舞台監督:五十嵐祐介 出演:山羽真実子、沖田祐蔵、亀井海、久垣琴美、山本知未;五十嵐祐…

ワーニャ伯父さん

華のん企画 http://www.owlspot.jp/performance/090219.html 原作:アントン・チェーホフ 英訳:マイケル・フレイン 翻訳:小田島雄志 脚本・演出:山崎清介 照明:山口暁 美術:松岡泉 音響:角張正雄 衣裳:三大寺志保美 出演:木場勝己 伊沢磨紀 松本紀保…

正しい座持ちの仕方

ISBN:4828825258 劇作家の別役実のエッセイ、「正しい座持ちの仕方」(井上ひさし編『話しことば大百科』、ベネッセ、1996年、54-58頁)で、「天使が通る」という気まずい沈黙の時間を避けるための便法が紹介されていた。 話題が途切れてしまったときのぎこ…

<span style="font-size:x-large;">2008年</span><span style="font-size:x-large;"> <span style="color:#FF0000;">謹賀新年</span></span>

明けましておめでとうございます. 今年が素敵な一年でありますように. ここのところずっと停滞している研究を今年は進め,先の展望が少しは見えるような状況にしたい. 観劇本数も週2回程度に減らすつもりだ. あと今年の目標というか心がけ,銀行通帳に常…

14億円稼いだ人のはなし

非常勤の勤務先で7年ぶりぐらいに数年先輩の人に偶然会う。特に親しい人ではないが会えば会釈するぐらいの間柄だ。彼も僕同様、専任職につけないまま、非常勤稼業を続けている。先にこっちが気づいて挨拶しようかどうしようかと考えていたら、向こうも気づき…

中村梅雀の前進座退団

http://www.asahi.com/culture/stage/kabuki/TKY200709120072.html前進座第三世代の中で圧倒的に華があり、今後の前進座を支えるはずだった人材が、座を退団してしまった。 確かに中村梅雀くらい器用でしかも才能ある人間にとって、今の前進座の存在は重荷で…

「おじいさんの台所」の死

「おじいさんの台所」の死―ひとり暮らし7年間 (文春文庫)作者: 佐橋慶女出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1993/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (3件) を見る 評価:☆☆☆☆★ - 佐橋慶女の『おじいさんの台所』(文芸春秋、1984…

「演劇教育でガッコーを面白く!」の会 vol.1

公開ワークショップおよびシンポジウム 演劇人がガッコーを変える? 学びの場の最前線 公開ワークショップ(講師:平田オリザ) シンポジウム(出演:平田オリザ、宮台真司、寺脇研、鈴木寛) 場所:渋谷 吉本∞ホール - 「演劇教育」をテーマとする平田オリ…

こまばアゴラ劇場支援会員

http://www.komaba-agora.com/sien2007/index.html 昨年度に引き続き、こまばアゴラ劇場支援会員に申し込んだ。通常会員なら1万円で観劇チケット引換券が7枚貰える。このチケット引換券でこまばアゴラ劇場もしくは小竹向原にあるアトリエ春風舎の公演を見…

〈アメリカ演劇〉と戦後のフランス/日本文化

静岡県舞台芸術センター主催シンポジウム 講師:渡邊守章,内野儀,鈴木忠志 場所:静岡 静岡芸術劇場 - 敢えて図式的に言うと,アメリカは「大衆文化,商業主義文化」の国でありミュージカルという舞台表現はその典型,フランスは高級な「芸術文化」が大事…

極端に狭い部屋についての思い出

狭いアパートといえば僕にも二つ忘れられない物件がある. 一つは僕が学部時代,学生向けの賃貸物件紹介の不動産屋にバイトしていた時に,社員のヒ人から教えてもらった東京都内で一番安い物件である. 浅草駅から徒歩10分,三畳,礼金なし敷金二ヶ月,家賃5…