閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

2005-01-01から1年間の記事一覧

双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき):引窓

作:武田出雲、三好松洛、並木千柳(1749) 出演:菊五郎、田之助、左団次、魁春 評価:☆☆☆☆ - 善人の男女四人の間の義理人情のやりとりをえんえんと描く小品。儒教的倫理感の枠組みでの「約束」ごと的な義理人情のかけあいが続くのだけど、各人物の愛嬌が役…

芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

バラエティに富み、役者の個性が引き立たせる三本の組み合わせ。満足度の高い公演だった。 http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/0510/haiyaku.html

十二夜

シェイクスピア・シアター http://www2.odn.ne.jp/shkspr-thr/ 演出:出口典雄 訳:小田島雄志 劇場:六本木 俳優座劇場 評価:☆☆☆ - 黒壁のシンプルな舞台。舞台装置は椅子一脚のみ。 ドタバタ風笑いは、先日見た『夏の夜の夢』より豊富だったが、本筋の部…

ラッシュライフ

伊坂幸太郎(新潮文庫、2005年) 評価:☆☆☆☆ - 5つの人物の日常を巡るちょっと奇妙な物語が有機的に関連し合い結びついていく様を味わう作品。エッシャーのだまし絵が扉に掲載されているが、まさにそのだまし絵のような構造を持つ小説。各物語は恐怖ミステ…

カーテン([電子城II]より)

唐組・第36回公演 作・演出:唐十郎 出演:唐十郎、鳥山昌克、久保井研、稲荷卓央、辻孝彦、藤井由紀他 場所:西新宿原っぱ 評価:☆☆☆☆ - 西新宿の高層ビル街の裏手に、忘れ去られたようにひっそりと存在する荒れた空地に張った250人ほど収容できるテン…

寝不足を甘くみないように

夏の夜の夢

http://www2.odn.ne.jp/shkspr-thr/ シェイクスピア・シアター 作:シェイクスピア 訳:小田島雄志 演出:出口典雄 劇場:六本木 俳優座劇場 評価:☆☆☆☆★ - ごくシンプルな舞台。大道具のセットは黒い背景と両側の黒いついたてのみ。 台詞は基本的に平板な抑…

S高原から

青年団 第47回公演 作・演出:平田オリザ 美術:杉山至、突貫屋 照明:岩城保 宣伝写真:佐藤隆仁 出演:奥田洋平、辻美奈子、井上三奈子、田原礼子、大竹直、志賀広太郎、岩崎裕司 劇場:こまばアゴラ劇場 評価:☆☆☆☆★ - 100名ほど収容可能なアゴラ劇場は超…

加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)

作:容楊黛 出演:玉三郎、菊之助、菊五郎、松也 評価:☆☆☆ - 通し狂言。女官が登場人物となる忠臣敵討ちの話。勧善懲悪で最後は大円団。 玉三郎演じる尾上のいかにも優等生じみたふるまいがつまらなく感情移入できず。 敵役の局岩藤はコミカルなほど類型的…

廓三番叟

出演:芝雀、亀治郎、翫雀 美術:高根宏浩 評価:☆☆☆ - 能の祝儀曲のパロディ。踊る三者が廓の太夫と新造と太鼓持。30分弱の曲。退屈はしなかったが、鑑賞のポイントがわからぬまま、ぼんやり見ているうちに終わってしまった。

芸術祭十月大歌舞伎 昼の部

http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/0510/haiyaku.html

5×2

http://www.gaga.ne.jp/futarino/ 監督・脚本:フランソワ・オゾン Francois OZON 音楽:フィリップ・ロンビ 出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ステファヌ・フレイス 場所:日比谷 シャンテ・シネ 評価:☆☆☆☆ - 原題は『5×2』。シンプルだがそのシン…

かくれさと苦界行

隆慶一郎(新潮文庫、1990年) 評価:☆☆☆☆★ - 先日読んだ同著者の『吉原御免状』の続編。吉原の惣名主となった松永誠一郎と、誠一郎によって隻腕にされ、復讐の悪鬼となった裏柳生の武者、義仙の戦いの第二ラウンド。そこに柳生の守護神、荒木又右衛門、義仙…

禁煙ファシズムと戦う

小谷野敦編著(ベスト新書、2005年) 評価:☆☆☆☆ - 禁煙となし崩しに進む日本社会に意固地になって抵抗している感のある小谷野氏。敢えて禁煙条例の施行されている地域で吸うという挑発的行為を行い、行政訴訟も辞さない覚悟という「大人らしくない」ふるま…

カルテット

http://www.tpt.co.jp/ 作:ハイナー・ミュラー 台本:広田敦郎 演出:木内宏昌 美術:磯沼陽子 照明:笠原俊幸 出演:大浦みずき、千葉哲也 劇場:森下 ベニサン・ピット 評価:☆☆★ - マチネ公演。観客は年配の人が中心でほぼ満席。 1000円で購入したプログ…

湖の秋

俳優座 http://www6.ocn.ne.jp/~haiyuza/Pages/wakate05a.htm 演出:高岸未朝 作:長谷川孝治(弘前劇場) 照明:石島奈津子 美術:島 次郎 出演:浜田寅彦、志村要、大庭藍、西川竜太郎、伊勢 佳世 劇場:六本木 俳優座劇場 評価:☆☆☆ - 劇評などでしばしば…

吉原御免状

隆慶一郎(新潮社、1986年) ISBN:4101174113 評価:☆☆☆☆★ - 娯楽的な時代小説は山本周五郎を除きこれまであまり読んでいなかったが、とりわけ英雄的主人公が活躍する「剣豪小説」というジャンルには関心がなかった。この小説を読む気になったのはもちろん劇…

忠臣連理の鉢植 植木屋

出演:中村梅玉、中村時蔵、中村歌六 評価:☆☆☆★ - 「忠臣蔵」の外伝。初演は一七八八年だが、歌舞伎座での上演は48年ぶりで昭和二十年以降の上演記録は五回だけ。二幕構成だが、遊び人風の色男と町娘の恋のやりとりが喜劇調で続くと思うと、いきなりストン…

歌舞伎十八番の内 勧進帳

出演:中村吉右衛門、中村福助、中村富十郎 評価:☆☆☆☆ - 古典の定番中の定番だが、僕は舞台では初見。一時間強の舞台ではあるが力強い、時に滑稽でもある見せ場の連続でぐいぐいと引き込まれる。お話の作り自体は冷静に考えると相当にヘンでつっこみどころ…

平家蟹

作:岡本綺堂 補綴:今井豊茂 演出:福田逸 出演:中村芝翫、中村橋之助、市川左団次 他 評価:? - 岡本綺堂によるこの作品を一番楽しみにしていたのだが、上演時間のほとんどを熟睡していしまう。三階席の狭い座席でよくぞあれほど熟睡できたものだ。前の…

九月大歌舞伎 夜の部

http://www.kabuki-za.co.jp/info/kougyou/0509/9kg_1.html

本業

浅草キッド 水道橋博士(ロッキング・オン、2005年) 評価:☆☆☆☆★ - 「タレント本」のみ、しかも水道橋博士と交友のあるタレントの著作の書評集。つっこみどころはするどく指摘しつつも、決して否定的で嘲笑的な取り上げ方はしない。著者への敬意に満ちた肯…

入院対策雑学ノート

ソルボンヌK子(ダイヤモンド社、2000年) 評価:☆☆☆☆ - 著者は20歳のころ、くも膜下出血で2ヶ月、くも膜下出血手術時の輸血による血清肝炎で4ヶ月間の入院経験を持つ。 一生の間で出生時と臨終時しか入院の経験のない幸運な人間の割合はどのくらいのものだ…

メゾン・ド・ヒミコ

http://www.himiko-movie.com/ 場所:新宿 武蔵野館 評価:☆☆☆☆ - 静謐で暖かい雰囲気の映画。人の心理や言動の曖昧さや自身でもコントロールできない不可解さを叙情的に描く傑作。役者の持ち味を最大限引き出した丁寧な演出が素晴らしい。ゲイの老人ホーム…

吉原御免状

企画・制作:劇団☆新感線・ヴィレッヂ 原作:隆 慶一郎 脚色:中島かずき 演出:いのうえひでのり 美術:瀬尾幸男 照明:原田保 音楽:岡崎司 衣裳:小峰リリー 出演:堤真一、松雪泰子、古田新太、京野ことみ、梶原善、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、…

世界の終わり、あるいは始まり

歌野晶午(角川書店、2002年) 評価:☆☆☆★ - 自分の子供が犯罪者であるときに、どうふるまうことができるか、という可能性のシュミレーション。達者な文章力で読ませるが、衝撃は必然的にだんだんと弱まっていく。

第十八回歌舞伎フォーラム公演

http://www.atpa.jp/05/kabuki/matuou%20shousai.htm 場所:両国 江戸東京博物館 - 第一部 「歌舞伎に親しむ」歌舞伎の美/効果音 出演:中村又之助、中村梅之 美術:阿部英夫 照明:中村幸穂 評価:☆☆☆ - 江戸東京博物館ホールでの若手役者によるこじんまり…

サマータイムマシン・ブルース

http://stmb.playxmovie.com/index.html 場所:三宮 シネ・リーブル神戸 評価:☆☆☆ - 東京の近所の映画館で見にいくつもりが、今の僕のアイドル、上野樹里が舞台挨拶に来ると知り、整理券が入手できれば見にいくつもりで劇場にいくと、あっさり整理券つき入…

家族

南木佳士(文春文庫、2003年) 評価:☆☆☆★ - 昨日読んだ『阿弥陀堂だより』を含め、小説中で書かれる出来事はすべて作者自身の体験がベースになっている。すなわち医者、末期肺ガン患者、信州、父親、義母、祖母、カンボジア医療ボランティア等々。 しかしそ…

ダイヤモンドダスト

南木佳士(文春文庫、1992年) 評価:☆☆☆